愛知県立大学

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国際文化研究科Graduate School of International Cultural Studies

大学院合同ゼミと研究グループ

国際文化研究科では、大学院合同ゼミ(正式科目名は「国際文化特殊演習」)を開くことで、院生に対する研究指導の効果を高めるとともに、院生どうしが学問的に刺激し合う研究活動の場づくりを進めています。この合同ゼミの枠組みで、現在、フィールド系を中心とする社会科学の分野、多文化状況と言語に関わる現代的な課題を研究する分野、文献史学の研究課題を史学史に照らして考える分野、マイノリティと言語?国家?社会に関係する諸分野の計4クラスが開講されています。

大学院合同ゼミの運営を担っているのは、近接する分野の教員?院生が集まる研究グループです。カリキュラム表の研究分野区分とは違って、研究の目的意識や中核的テーマで結ばれているのが研究グループの特徴です。2023年度時点で、合同ゼミを運営している「多様性のフィールド学研究グループ」「多文化社会と言語研究グループ」「歴史学の潮流研究グループ」「マイノリティと言語?国家?社会研究」の4つの研究グループが存在します。

国際文化特殊演習

国際文化特殊演習 aクラス

本合同ゼミの中心は、博士前期課程院生の研究発表である。定期的に報告することで修士論文提出に向けた作業を着実に進めるとともに、報告後の活発な質疑応答から有益な助言やヒントが得られるようになっている。また、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。

対象分野

フィールド系を中?とする社会科学の分野(地理学、?類学、社会学、政治経済学など)

運営の中心となる研究グループ

多様性のフィールド学

近年の報告テーマ
  • 「領域性」という視点から言語政策を考える
  • モンゴル語定期刊行物について:『ボルタラ新聞』と『フフトグ(青旗)新聞』
  • 商業活動に見る歴史的集落の持続的マネジメント: バルセロナ市サンアンドレウ地区を事例として
  • 19世紀スペイン都市の形態的多様性に関する研究: 都市をつくるエージェントからみた旧市街の類型化
  • フンボルト理念の現在性
  • ノルウェー高等教育制度の動向
  • 外国人に対するヘイトスピーチ及びレイシャル?ハラスメントをめぐる判例の考察
  • 日本のビデオゲーム開発者とビデオゲーム産業の関係を とりもつ情動に関する考察
  • 明治期の旧岡山城下町における商業

国際文化特殊演習 bクラス

本合同ゼミでは、月2回のペースで研究発表をおこなっており、さまざまなテーマを通じて、積極的な議論がなされている。大学院生10名、学部生1名、教員9名に加え、テーマに応じて、他の教員や院生もオブザーバ参加している。

対象分野

社会言語学、言語教育学、通訳学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生

運営の中心となる研究グループ

多文化社会と言語

近年の報告テーマ
  • 地方自治体における「一元的相談窓口」の開設に伴う相談通訳者の役割の変化
  • 日本語非母語話者であるコミュニティ通訳者のオーラル?ヒストリー
  • 文化的アイデンティティとレジリエンス
  • 日本の英語教育に対する英語圏国家の文化外交政策の影響
  • カタルーニャ?アイデンティティと Els Segadors
  • 台湾における外国籍住民への言語支援から見る今後の課題
  • 日本におけるブラジル新宗教ウンバンダの発展
  • 外国人児童を対象とした絵本の読み聞かせによる日本語指導

国際文化特殊演習 cクラス

本合同ゼミは、文献?考古?美術?思想などを素材に、時代と地域を問わない対象を扱っている。博士前期課程院生の研究発表を中心に、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。

対象分野

歴史学を中心とする人文科学の分野

運営の中心となる研究グループ

歴史学の潮流

近年の報告テーマ
  • 院政期熊野詣の成立
  • 16世紀日本における寺院勢力の社会秩序とその基盤
  • 書評:武井彩佳著『歴史修正主義』(中公新書、2021年)
  • 『くまのプーさん』シリーズにおける複層性の諸様態
  • 近代日本における部落差別の「論理」
  • 『岡山繁昌記』からみる明治時代の岡山
  • 『尾張名所図会』からみる名古屋の祭
  • 中世的世界から近現代的世界への日本スペイン比較文化史
  • 明治期の地域社会秩序と資本主義経済領域

国際文化特殊演習 dクラス

本合同ゼミは、月2回の頻度で研究発表を行っている。参加者は、本研究科院生、本学卒業生、本研究科修了生、本学教員など多様であり、できるだけ所属や立場の壁を作らずに、自由闊達な議論ができるよう心掛けている。また特に、博士前期課程院生の場合には修士論文の作成のための、博士後期課程院生の場合には博士論文の作成のための助言も行っている。2023年度グローバル学術交流事業「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」に参加する。

対象分野

「マイノリティと言語?国家?社会」に関係する諸分野(社会言語学、文化人類学、社会学、政治学、歴史学、等々)

運営の中心となる研究グループ

マイノリティと言語?国家?社会

近年の報告テーマ
  • カタルーニャ?ナショナリズムとサニェーラ(カタルーニャの旗)
  • 中国青年党の「反共」から考察する国共両党の関係
  • 手話言語政策としての手話サークル: 日本手話言語法制定推進事業と手話言語認知度に与える影響
  • ウルグアイの“Comunidad Japonesa”にみる 「日系社会」の一形態
  • オーストラリアにおいて複雑化する アボリジナル?アイデンティティ:修士論文に向けて
  • Els Segadors(刈取り人たち)の歌唱に見る カタルーニャ?アイデンティティ

研究グループ

多様性のフィールド学

代表:亀井伸孝

本研究グループは、人?情報?資本が飛び交うグローバル世界の動態を明らかにし、環境?文化?社会が複合する人類の多様性を培うための研究実践に到達することを大きな目標としている。研究の方法論として、地理学、文化人類学、地域社会学など、フィールド調査に重きを置く現場主義を共有し、大学院合同ゼミ「国際文化特殊演習(aクラス)」を運営している。

また、国内外におけるフィールドワークに根ざした教育?研究を推進するため、調査実習やそのための教員間の情報交換などを活発に行っている。

構成員

<国際文化専攻>

  • 亀井伸孝[文化人類学、アフリカ地域研究]
  • 秋田貴美子[女性学、日米文化]
  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史、カタルーニャ地域研究]
  • 竹中克行[地理学、地中海都市?ランドスケープ研究]
  • 谷口智子[宗教学、ラテンアメリカ地域研究]
  • エドガー?ライト?ポープ[民族音楽学、日本とアメリカのポピュラー音楽史]

<日本文化専攻>

  • 服部亜由未[人文地理学、歴史地理学]
  • 柴田陽一[人文地理学、地理思想史]
最近の修士論文
  • 外国人に対するヘイトスピーチ及びレイシャル?ハラスメントをめぐる判例の考察
  • 多核型コンパクトシティとしてのサンティアゴ?デ?コンポステラ都市圏(スペイン)の特質─都市形態?機能分析より
  • Plan de Paisaje Sant Andreu de Palomar
  • 関宿の町並み保存の変遷
  • 多元的な「郷土」概念に存立する地方郷土研究団体―昭和戦前?戦中期における飛騨考古土俗学会を事例に

多文化社会と言語

代表:東 弘子

人やモノ?情報が簡単に国境を越えて移動する現代において、世界各地で社会の多文化化?多言語化が進んでおり、日本も例外ではない。本研究グループでは、社会言語学、言語教育学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生といった立場から、主に日本国内の多文化状況と言語にかかわるさまざまな現代的な課題を取り上げ、調査?分析を進める。具体的には、地域社会とエスニック集団の動態、多文化共生施策の研究、コミュニティ通訳、情報保障、外国にルーツを持つ人びとへの日本語(学習)支援、などが課題となる。

構成員

<国際文化専攻>

  • 東 弘子[日本語学、社会言語学]
  • 糸魚川美樹[スペイン語学、社会言語学、医療通訳研究]
  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史、カタルーニャ地域研究]
  • 小池康弘[ラテンアメリカ政治?外交、キューバ研究、国際協力論]
  • 佐野直子[少数言語(オクシタン語)研究、社会言語学]
  • 高橋慶治[キナウル語記述研究]
  • 張 文菁[中国語圏の通俗小説、台湾文学、中国近現代文学]
  • 月田尚美[言語学、形態論、台湾原住民諸語]
  • 吉田理加[コミュニティ通訳研究、異文化コミュニケーション、言語人類学]
最近の修士論文
  • ウルグアイの“Comunidad Japonesa”にみる「日系社会」の一形態(2022)
  • ソフトウェア開発業における異文化摩擦:中国人エンジニアと日本人の対人コミュニケーションを中心に(2021)
  • ロシア語の SNS における新借用語の使用(2021)
  • 異文化間教育の視点から見たホームステイプログラムのあり方:寮生活を送る留学生の週末滞在に着目して(2018)
  • 顔文字の構成:インターネットにおける非言語コミュニケーションとしての顔文字(2017)
  • 「非定型作品」から見る言語の芸術的機能(2017)
  • 日本語における判断保留表現の真意を探るストラテジー:生命保険営業場面を事例として(2017)
  • 地域社会の外国人自助組織が持つ役割:愛知県東浦町のフィリピン人自助組織 United Filipino Community in Higashiura の事例から(2017)

歴史学の潮流

代表:上川通夫

歴史学には本質的にグローバルとローカルの視点がある。世界史的な比較、接触地域間の連関確認、日常生活における普遍性の発見、などである。そのこと考えなくても考証論文は書ける。とはいえ、史料に付着する主観、先行研究の認識枠組み、研究主体の世界観などから自由になるには努力がいる。そこで、「すべての歴史的認識は現代史的認識である」という鉄則にあらためて向き合い、研究潮流の由来と問題を掘り下げ、歴史学の行方を考えたい。
実証研究を大事にしつつ、歴史修正主義、新自由主義史観、認識論的展開、コロナ時代の歴史学、アカデミズムとジェンダー、といった問題を意識したい

構成員

<日本文化専攻>

  • 上川通夫[日本中世史、ユーラシア世界の中の日本中世]
  • クラーマー スベン[日本近現代史、地方行政史]
  • 洲脇武志[漢文学、中国古典学、中国中世の学術]
  • 内記 理[考古学、東西文化交流史]
  • 服部亜由未[人文地理学、歴史地理学]
  • 丸山裕美子[日本古代史、日唐比較文化研究]

<国際文化専攻>

  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史?カタルーニャ地域研究]
  • 久田由佳子[アメリカ近代史、建国初期~南北戦争前の社会史?家族史?女性史]

マイノリティと言語?国家?社会

代表:奥野良知

「マイノリティと言語?国家?社会」に関係する諸分野、例えば、社会言語学、文化人類学、社会学、政治学、歴史学、等々を横断的に活用して、「マイノリティと言語?国家?社会」に関する諸テーマを考察している。決して言語のみに特化した研究グループではない。また、フィールドワーク?参与観察?聞き取り調査等は、文献調査と並んで、「マイノリティと言語?国家?社会」という研究テーマにとって重要な調査方法である。2023年度の場合、佐野?亀井?奥野が組織する2023年度グローバル学術交流事業「言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か」の中で日本手話、琉球語、アイヌ語、オクシタン語、カタルーニャ語について合計3回行われる講演会を組織する。

構成員

<国際文化専攻>

  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史、カタルーニャ地域研究]
  • 亀井伸孝[文化人類学、アフリカ地域研究]
  • 佐野直子[少数言語(オクシタン語)研究、社会言語学]

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